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世界的な疾病負担の原因上位20項目における女性と男性の間の生涯にわたる差異:世界疾病負担調査2021の系統的分析。

DOI:10.1016/S2468-2667(24)00053-7

アブストラクト

背景:性と性別は健康を形成する。女性と男性の健康における差の大きさ、持続性、性質を包括的かつ体系的に調べることに焦点を当てたエビデンスが増えつつある。ここでは、年齢や地域を問わず、女性と男性の疾病負担の主な原因における差異を定量化することを目的とした。

方法:世界疾病負担調査2021(Global Burden of Disease Study 2021)を用いて、1990年から2021年にかけて、10歳以上の高齢者における疾病負担の主な20の原因について、女性と男性の障害調整生存年(DALY)率を世界レベルと7つの世界地域で比較した。我々は、女性と男性の間の原因別DALY率の絶対差と相対差を提示する。

所見:世界全体では、女性の方が罹患率に起因する疾患の負担が大きく、腰痛(10万人当たりのDALYは男性より女性の方が478-5[95%不確実性区間346-3-632-8]多い)、うつ病性障害(348-3[241-3-471-0])、一方、死亡率に起因する疾患では男性の方がDALY率が高く、COVID-19(10万人当たりのDALY数が女性より男性の方が1767-8[1581-1-1943-5]多い)、交通事故(1012-2[934-1-1092-9])、虚血性心疾患(1611-8[1405-0-1856-3])のDALY数の差が最も大きかった。男女間の差は年齢とともに大きくなり、HIV/AIDSを除くすべての疾患において経時的に一貫していた。HIV/AIDSで最も差が大きかったのはサハラ以南のアフリカの25~49歳で、10万人当たりのDALYは女性の方が男性より1724-8(918-8-2613-7)多かった。

解釈:女性と男性の間に顕著な健康格差があることから、性差や年齢に応じたデータに基づく政策が急務である。また、ジェンダーに配慮した研究を推進し続けることが重要であり、最終的には、疾病の負担を軽減するだけでなく、より高い健康の公平性を達成するための介入を実施することが必要である。

資金提供:ビル&メリンダ・ゲイツ財団。

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