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サウジアラビアで新たに診断された未治療の小児潰瘍性大腸炎における細菌性ディスバイオシス。

DOI:10.4103/sjg.sjg_66_24

アブストラクト

背景:潰瘍性大腸炎(UC)の病態における微生物叢の役割が認識されつつある。しかし、その報告のほとんどは欧米の集団からのものである。サウジアラビアを含む中東諸国では、微生物叢の役割についてはほとんど知られていない。そこで我々の目的は、サウジアラビアの小児潰瘍性大腸炎における細菌叢プロフィールとシグネチャーを記述することであった。

方法:本研究に登録された20名のUC患者と20名の健常対照者の便を採取した。直腸粘膜サンプルはUCから20検体、非UC対照から20検体を採取した。対象は、新規に診断された未治療の小児とし、UC患者および対照群では、採便前に少なくとも6ヵ月間抗生物質への曝露がないこととした。細菌デオキシリボ核酸を抽出し、ショットガンメタゲノム解析を用いて塩基配列を決定した。統計解析には、Shannon alpha多様性指標、Bray-Curtis非類似度、DESeq2、バイオマーカー探索が含まれた。

結果:UC患者と対照群では、人口統計学的特徴は類似していた。UC患者のサンプルでは、α多様性(P = 0.037)とβ多様性(P = 0.001)が有意に減少していた。多くの分類群がlog2存在量分析で同定され、UCでそれぞれ110種と102種が有意に枯渇および濃縮していることが明らかになった。11菌種のシグネチャーが同定された。

結論:UCのサウジアラビア人小児において、我々は、おそらくライフスタイルの変化に関連した、西洋人集団からの報告と同様のディスバイオーシスを証明した。本報告における微生物シグネチャーの発見は、研究への重要な貢献であり、珍しいUC症例における補助的な非侵襲的診断法の開発につながるものである。

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