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学校ベースのプログラムにおけるHPVワクチン接種の受け入れと摂取を改善するための介入の影響:ケベック州におけるパイロットプロジェクトの結果。

DOI:10.1016/j.vaccine.2024.04.089

アブストラクト

背景:カナダのケベック州では、10年以上の導入にもかかわらず、学校ベースのプログラムにおけるヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種率は最適とはいえない。学校ベースのプログラムにおけるHPVワクチンの受容性と接種率を改善するための3つの介入策が開発され、多部門戦略の一部として実施され、評価された。

方法:64校が募集され、そのうち32校が介入を受け(パイロット校)、32校が通常のワクチン接種活動を受けた(対照校)。介入の影響を評価するために2つのアプローチが用いられた。パイロット校と対照校の両方の保護者が事前事後アンケートに回答した。ケベック州の予防接種登録簿を用いたワクチン接種率の定量的分析が行われた。

結果:参加した保護者(介入前アンケートのn=989、介入後アンケートのn=772)は、HPVおよびHPVワクチン接種について概ね認識していた。ほとんどの保護者はワクチン接種に自信があり、ほとんどためらいがなく、子どもに接種させることを決めていた。パイロット校の保護者は、介入後、対照校の保護者よりもワクチンの安全性に対する懸念が低かった。また、パイロット校の保護者の方が、子どもに予防接種を受けさせることを決めた割合が高かった。パイロット校と対照校のHPVワクチン接種率には7.4%の統計的有意差が認められた(82.9%対75.5%、p<0.0001)。

結論:学校ベースのプログラムは、ワクチン接種への公平なアクセスを提供し、アクセスの障壁を最小限に抑えるが、ワクチン接種率をさらに向上させ、WHOの子宮頸がん撲滅目標を達成するためには、効果的な介入策を特定することが極めて重要である。われわれの多成分戦略は、HPVワクチンの受容性と接種率にプラスの影響を与えたようであり、学校ベースのプログラムでワクチン接種が行われる他の状況にも適応できる可能性がある。

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