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3つの集団ベースの出生コホートにおいて、母乳育児の期間は子供の炎症性腸疾患リスクと関連しない。

DOI:10.1016/j.cgh.2024.04.013

アブストラクト

背景と目的:母乳育児は子供の健康と発育に重要である。多くの観察研究で母乳育児と炎症性腸疾患(IBD)の間に予防効果があることが報告されているが、その関係はよくわかっていない。

方法:3つの集団ベースの出生コホート(Danish National Birth Cohort、Norwegian Mother, Father, and Child Cohort、All Babies in Southeast Sweden)から前向きに収集されたデータと、相互リンクされた国別登録データを用い、調整Cox比例回帰分析を用いて、母乳育児期間が子供のIBDリスクに及ぼす影響を各国で確認した。メタ解析を行い、プール推定値を求めた。

結果:148,737人および169,510人の子どもを、それぞれ母乳育児専従期間および母乳育児継続期間の解析に組み入れた。1996年から2021年までの中央値16.3~22.3年の追跡期間中に、543人の子供がIBDと診断された。各国とも、出生年(デンマーク)、子供の性別、親のIBD状態、母親の学歴、妊娠中の喫煙、分娩時年齢、分娩様式、早産、妊娠月齢が小さいことで調整した後、母乳育児期間と子供のIBDリスクとの関連は認められなかった。IBDのプール調整ハザード比は、4~5ヵ月と比較して、6ヵ月以上および4ヵ月未満の母乳のみで育てられた子供ではそれぞれ1.24(95%信頼区間、0.94-1.62;Q = 0.16、I = 0.0%)および1.02(95%信頼区間、0.85-1.21;Q = 1.45、I = 0.0%)であった。同様に、母乳育児期間とIBD(クローン病および潰瘍性大腸炎のサブタイプ)のプール解析、およびコホート特異的解析においても、無効な関連が認められた。

結論:3つの集団ベースの出生コホートから前向きに収集されたデータでは、母乳育児の期間は、子どものIBDリスクとは関連していなかった。

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