eTHINK研究:血友病患児における認知および行動学的転帰。
DOI:10.1016/j.jpeds.2024.114089
アブストラクト
目的:小児および若年成人の血友病患者を対象に,認知機能,行動機能,適応機能を評価する。
試験デザイン: Evolving Treatment of Hemophilia's Impact on Neurodevelopment, Intelligence, and Other Cognitive Functions(eTHINK)は、米国をベースとした前向き横断観察研究である(2018年9月~2019年10月)。インヒビターの有無にかかわらず、重症度を問わない血友病AまたはBの男性(1~21歳)を対象とした。参加者は神経学的検査を受け、早期発達、認知、感情/行動適応、適応能力に関する標準化検査/評価尺度など、年齢に応じた神経心理学的評価を受けた。
結果:血友病A(n=433)または血友病B(n=101)の男性551例が登録された。認知検査における成績は、年齢をマッチさせた米国集団の標準値とほぼ同等であったが、特定の年齢群(4~5歳、10~21歳)の参加者は注意と処理速度の測定において成績が悪かった。さらに、青年および若年成人、注意欠陥・多動性障害(ADHD;n=64)を合併する者では、日常生活における適応および実行機能の問題がより多く報告された。青年におけるADHDの発生率(21%)は、一般集団で予想されるよりも高かった。
結論:一般的に,血友病の男性は年齢相応の知的,行動的,適応的発達を示した。しかし、特定の患者群・年齢群では、注意力が低く、遂行能力および適応能力の発達が懸念された。本研究により,血友病患者の神経発達をモニタリングするための規範となるデータが確立され,この集団における認知・適応能力の課題に対するスクリーニングと介入の重要性が強調された。
臨床試験登録:Evolving Treatment of Hemophilia's Impact on Neurodevelopment, Intelligence, and Other Cognitive Functions (eTHINK); NCT03660774; https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03660774.