注意欠陥多動性障害児の睡眠障害:メラトニンおよび行動との関係。
DOI:10.1080/01616412.2024.2359261
アブストラクト
目的:注意欠陥多動性障害(ADHD)児における睡眠問題の有病率、種類、メラトニン量および行動との相関を評価する。
方法:6~14歳のADHD児と定型発達児(TD)の睡眠をSleep Disorders Scale for Children(SDSC)とアクチグラフで評価し、唾液メラトニンをELISAで定量し、行動をStrengths and Difficulties Questionnaireで分析した。
結果:ADHD児はTD児に比べて睡眠障害の頻度が高く、睡眠潜時が長く、睡眠効率が低かった。ADHD群はTD群に比べ、メラトニンの夜間含量が低かった。睡眠開始・維持障害(DIMS)は夜間メラトニンと中等度の関連を示した。総行動困難度は、睡眠導入・維持障害(DIMS)、睡眠・覚醒遷移障害(SWTD)、過眠障害(DES)、睡眠時多汗症(SHY)およびSDSC総スコアと相関していた。行動はSDSC総スコアの唯一の決定因子であった(R = 0.499; < 0.002)。
結論:この研究は、ADHDで頻繁にみられる睡眠障害のうち、入眠障害と睡眠維持障害が、この集団でみられるメラトニンの低レベルと関連していることを初めて証明した。さらに、これらは他の睡眠障害とともにADHDにおける行動上の問題と関連している。