非重症血友病小児825例における因子レベルによる出血表現型:PedNetコホートからのデータ。
DOI:10.1016/j.jtha.2024.05.030
アブストラクト
背景:非重症血友病における出血の表現型に関する情報は、重症血友病における予防や遺伝子治療のための標的因子量を決定するために使用される可能性がある。
目的:非重症(第[F]VIII因子/FIX活性1%〜25%)血友病A(HA)およびB(予防薬なし)の小児における内因性因子レベルと出血表現型との関連を評価すること。
方法:2000年以降に出生した小児を含む国際的なPedNetコホートから、年換算出血率(ABR)、年換算接合部出血率(AJBR)、および出血の発症に関するデータを抽出した。平均ABRと平均AJBRをモデル化し、負の二項回帰を用いてFVIII/FIX内因性活性(1%-2%、3%-5%、6%-10%、11%-15%、16%-20%、21%-25%)に応じて比較した。出血の発症はKaplan-Meier生存曲線を用いて解析した。
結果:825人の小児(中等度血友病40%;HA87%)が対象となり、追跡期間中央値は7.4年であった。出血開始年齢の中央値と出血率の中央値は内因性活性の増加とともに変化した。内因性FVIIIが1%から2%へ、21%から25%へ、出血開始年齢中央値は1.4歳から14.2歳へ、ABRは1.6から0.1/yへ、AJBRは0.5から0.0/yへと変化した。内因性FIX 1%から2%、16%から25%では、出血の発現は中央値1.7年から6.1年、ABRは0.5から0.1/y、AJBRは0.1から0.0/yに変化した。AJBRと因子レベルとの負の相関は、HAおよび血友病Bでは因子レベル6%まで最も強くみられた。
結論:5%以上の内因性因子活性は関節出血率を有意に低下させる閾値として同定され、一方、15%以上のFVIIIレベルと10%以上のFIXレベルは、この小児コホートにおいて出血0という目標を達成するのに十分であった。