論文Pick Up

小児関連の海外論文翻訳ニュース

掲載日:

FMR1前置変異を持つ未就学児の偏りのないサンプルにおける社会的コミュニケーションの遅れ。

DOI:10.1044/2024_JSLHR-23-00580

アブストラクト

目的:()前変異(FXpm)は一般集団によくみられる遺伝子変異であり、成人期の健康症状や疾患と関連している。しかし、小児期の臨床表現型に関する理解が不十分であるため、スクリーニングや介入に関する臨床診療ガイドラインの作成が妨げられてきた。FXpmを有する成人では社会的コミュニケーションの困難が広く報告されており、心理社会的機能の低下と関連していることから、本研究では幼児期におけるFXpmのコミュニケーションプロファイルの特徴を明らかにすることを目的とした。

方法:カスケード検査(89%)または出生時スクリーニング検査(11%)で同定されたFXpm児18人を、2~4歳のマッチさせた定型発達児21人と比較した。参加者は、言語(Mullen Scales of Early Learning)と適応的コミュニケーション(Vineland Adaptive Behavior Scales-II)の標準化された評価を行った。社会的コミュニケーションは、Brief Observation of Social Communication Changeを用いて、半自然的な相互作用サンプルから評価された。

結果:FXpmの子どもは社会的コミュニケーションの発達の遅れを示し、群間差の大きさは、FXpmの子どもを同世代の子どもから区別する特徴として社会的コミュニケーションを強調していた(0.046、η = 0.12)。標準化された言語および適応的コミュニケーションの測定では、両群に差はみられなかった(s > .297, ηs < .03)。

結論:社会的コミュニケーションの遅れを早期にスクリーニングし治療することは、FXpm児の転帰を最適化する鍵となるであろう。より大規模なサンプルで所見を再現し、FXpmにおける生涯にわたる社会的コミュニケーションの困難の軌跡と結果を明らかにし、一般集団における発達的コミュニケーションの違いの媒介因子としての疫学的意義の可能性を明らかにするために、さらなる研究が必要である。

会員登録すると原著論文へのリンクが表示されます。

<会員特典>会員登録いただくと当サイトにて掲載中のMedical*Online小児科論文フルテキストが毎月3報まで閲覧可能です。
PAGETOP

「GrowthRing」は、日本国内の医療関係者(医師、薬剤師、看護師等)を対象に、小児医療に役立つ情報をあらゆる視点から集めて提供しています。国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

このサイトのご利用に際しましては、「GrowthRing」のご利用条件が適用されます。

医療関係者の方は、一部コンテンツをご覧いただけます。

医療関係者ではない方