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異なる病因の小人症に対する遺伝子組換えヒト成長ホルモンの治療効果を、薬剤経済学的観点から検討した。

DOI:10.1097/MD.0000000000038350

アブストラクト

小児小人症の原因によって治療成績は大きく異なり、治療成績に関連した経済的負担に関する研究はない。本論文では、小児に対してより費用対効果の高い治療選択肢を提供することを目的として、成長ホルモン分泌不全症(GHD)と特発性低身長症(ISS)の治療に対する遺伝子組換えヒト成長ホルモン(rhGH)の有効性と単位身長あたりの医療費を比較した。2019.1~2022.1の間に濰坊人民病院を初診し、1~3年間rhGH治療を受けた低身長児117例(GHD66例、ISS51例)をレトロスペクティブに分析し、治療効果を追跡するとともに、paired t検定、ノンパラメトリック検定、カイ二乗検定を用いて統計学的に解析し、GHD児とISS児に対するrhGH治療の有効性と薬価を評価した。GHDおよびISS児の年間成長速度(GV)は、治療後3~6ヵ月間に最も速く増加し、その後徐々に遅くなった。GHD群のGVはISS群より治療後0~36ヵ月まで高かった(3ヵ月、6ヵ月、9ヵ月、12ヵ月でP<0.05)。GHD群とISS群の子どもの身長標準偏差スコア(HtSDS)は治療期間の延長とともに徐々に増加し、GHD群の身長標準偏差スコアの変化(ΔHtSDS)はISS群より有意であった(3ヵ月、6ヵ月、9ヵ月、12ヵ月でP<0.05)。(2)思春期群では、身長が1cm伸びた場合の医療費は、同じ時期の思春期前群よりも高かった(3~24ヵ月 P < 0.05)。同じグループ内で治療期間が長ければ長いほど、身長を1cm伸ばすための医療費は高くなる。RhGHは小人症の小児の身長の伸びを促進する治療に有効であり、GHDの小児に対する効果はISSの小児に対する効果よりも優れており、治療時期が早ければ早いほど、医療費は低くなり、総合的な利益は高くなる。

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