ゴーシェ病3型における造血幹細胞移植または酵素補充療法。
DOI:10.1016/j.ymgme.2024.108515
アブストラクト
ゴーシェ病(GD)は、マクロファージにグルコセレブロシドが蓄積するライソゾーム蓄積障害である。この疾患は神経認知の病変により3つのタイプに分けられ、GD1は病変を認めないが、急性(GD2)と慢性(GD3)は神経障害性である。GD3の非神経学的症状は、造血幹細胞移植(HSCT)に取って代わる酵素補充療法(ERT)でよく治療される。ERTは、酵素が血液脳関門を通過できないため、神経学的進行を防ぐことができない。このレトロスペクティブ研究では、GD3を有する3人のきょうだいについて、ERTまたは造血幹細胞移植による治療後の一般的、神経認知的、生化学的転帰を報告する。2人は造血幹細胞移植(HSCT1およびHSCT2と命名)で、1人はERT(ERT1)で治療された。患者は全員、GD3に関連するGBA1遺伝子のc.1448 T > C(p.Leu483Pro)変異体のホモ接合体であった。ERT1では、痙攣発作、眼球運動失行、知覚性難聴、精神遅滞が発現し、神経認知が進行した。HSCT1では神経学的症状はみられなかったが、HSCT2では知覚性難聴と低IQが発症した。キトトリオシダーゼ濃度は、造血幹細胞移植1および造血幹細胞移植2では血漿および脳脊髄液(CSF)において正常であったが、ERT1ではいずれも著明に上昇した。造血幹細胞移植を受けた2人のきょうだいでは、ERTを受けたきょうだいに比べて神経学的転帰が良好で、キトトリオシダーゼが正常化したことを報告する。過去25年間の造血幹細胞移植の進歩に伴い、より良好な神経学的転帰を達成し、疾患の進行を抑制するために、GD3に造血幹細胞移植を使用することを再考する可能性がある。
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