小児遺伝性胆汁うっ滞性肝疾患の最新情報:病因、診断、治療アプローチの進歩。
DOI:10.1097/MOP.0000000000001380
アブストラクト
総説の目的:小児の胆汁うっ滞性肝疾患における最近の進歩に焦点を当て、有望な新規予後マーカーや新規治療法を紹介する。
所見:進行性家族性肝内胆汁うっ滞(PFIC)の表現型に関連する新たな遺伝子変異や、繊毛病遺伝子の新たな役割を持つ新たな遺伝性胆管症が、ますます同定されつつある。遺伝子型の重症度は胆汁酸塩輸出ポンプ(BSEP)欠損症の予後を予測し、胆道転換後の血清胆汁酸値はBSEPおよび進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型(FIC1欠損症)患者の自肝生存率に有意に影響する。MDR3遺伝子のヘテロ接合体変異は、成人におけるさまざまな胆汁うっ滞性肝疾患の表現型と関連している。回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害薬は、PFICおよびアラジール症候群(ALGS)のそう痒症に対して承認されており、長期的なQOLおよび無イベント生存率の改善と関連している。
Summary:次世代シークエンス(NGS)技術は診断アプローチに革命をもたらし、新たな細胞内シグナル伝達経路の発見は治療標的や個別化戦略の同定に有望である。胆汁酸は肝障害の進行に重要な役割を果たしている可能性があり、そのモニタリングが胆汁うっ滞性肝疾患の管理の指針となることが示唆される。IBAT阻害薬は、そう痒症の日常管理アルゴリズムに早期に組み込むべきである。IBAT阻害薬が疾患生物学に影響を与え、胆汁うっ滞の自然史を修飾しているかどうかについては、データが出つつある。