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サハラ以南のアフリカ諸国における5歳未満児の急性呼吸器感染症の要因について、機械学習アプローチを用いて検討。

DOI:10.1038/s41598-024-65620-1

アブストラクト

5歳未満児の急性呼吸器感染症(ARI)の症状は、世界的な保健上の課題である。我々は、サハラ以南のアフリカ(sSA)諸国において、5歳未満児の母親から報告されたARIの症状を予測するための10種類の機械学習(ML)分類アプローチを訓練し、評価することを目的とした。サブサハラ・アフリカ(sSA)諸国33カ国の最新(2012~2022年)の全国代表人口保健調査(Demographic and Health Surveys)データを用いた。大気汚染の共変量である全球年間表面粒子状物質(PM2.5)や二酸化窒素は、ラスター画像の形で米国航空宇宙局(NASA)から入手した。MLAは、5歳未満児のARIの症状を予測するために使用した。データセットを無作為に2つに分割し、80%をモデルの学習に使用し、残りの20%を学習済みモデルのテストに使用した。モデルの性能は、感度、特異度、精度、および受信者動作特性曲線下面積を用いて評価した。合計327,507人の5歳未満児が研究に組み入れられた。約7.10%、4.19%、20.61%、21.02%の小児が、調査年の2週間前にそれぞれARI、重症ARI、咳嗽、発熱の症状を訴えた。ARIの有病率はモザンビーク(15.3%)、ウガンダ(15.05%)、トーゴ(14.27%)、ナミビア(13.65%)で最も高く、咳の有病率はウガンダ(40.10%)、ブルンジ(38.18%)、ジンバブエ(36.95%)、ナミビア(31.2%)で最も高かった。ランダムフォレストプロットの結果、空間的位置(経度、緯度)、粒子状物質、地表温度、二酸化窒素、家畜の頭数が、sSAの5歳未満児のARIの症状の診断を予測する上で最も重要な特徴であることが明らかになった。RFアルゴリズムは、5歳未満児のARI症状を予測する最良のMLモデル(AUC=0.77、Accuracy=0.72)として選択された。MLAは、sSA諸国における5歳未満児のARI症状および関連予測因子の予測において良好な結果を示した。ランダムフォレストMLAは、5歳未満児のARI症状の予測に採用すべき最良の分類器として同定された。

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