小児血液培養における体重ベースのアルゴリズム導入による病原体の回収:観察介入研究。
DOI:10.1186/s12887-024-04930-9
アブストラクト
背景:小児の血液培養から病原性細菌および酵母を回収し、病原体と汚染物質を確実に区別するためには、微生物検査施設に提出する培養用血液量を、これまで使用されてきた少量より増やすことで改善される可能性が高い。本研究の第一の目的は、培養のために提出される血液量を決定するための重量ベースのアルゴリズムを導入した後に、病原体の回収率が向上するかどうかを評価することであった。副次的な目的は以下の通りである:1) アルゴリズムの導入が血液培養の汚染率に及ぼす影響を評価すること、2) 複数のボトルが提出された場合に、病原体が汚染物質よりも多く検出されるかどうかを判定すること、3) 真の血液培養陽性の臨床的検証を適用して、血液培養における病原体および汚染物質の微生物学的所見を記述することである。
方法:血液培養所見を病原体か汚染物質かで臨床的検証を行い、理論血液量と血液培養ボトル数を増やした後の陽性率と汚染率の前後比較を行った。
結果:増殖した186例(真陽性123例、汚染63例)を含む5327例の血液培養を調べた。真陽性血液培養の割合は介入前の1.6%(42/2553)から介入後は2.9%(81/2774、p = 0.002)に有意に増加した。汚染された血液培養の割合は研究期間中に有意に変化しなかったが(介入前1.4%[35/2553] vs 介入後1.0%[28/2774]、p = 0.222)、全陽性培養のうち汚染された培養の割合は介入前45%(35/77)から介入後26%(28/109、p = 0.005)に減少した。ボトル1本で増殖した微生物は症例の35%(8/23)で汚染とみなされたが、ボトル2本以上で増殖した微生物は症例の2%(1/49、p<0.001)で汚染とみなされた。主に微生物の同一性に依存する一般的な分類基準によると、回収された病原体の14%(17/123)は、そうでなければ汚染物質に分類されたであろう。
結論:小児患者における血液培養の量と数を決定するための体重ベースのアルゴリズムの導入は、病原体回収率の上昇と関連する。