小児期のPFAS暴露と免疫毒性：ヒト研究のシステマティックレビューとメタアナリシス。

アブストラクト

背景：ポリおよびペルフルオロアルキル物質（PFAS）への暴露は、免疫抑制を通じて乳児や小児期の健康に影響を及ぼす可能性がある。しかし、出生前／小児期のPFAS曝露とヒトにおけるワクチン反応および感染との関係を調べた疫学文献の知見は、まだ結論が出ていない。このレビューの目的は、ヒトにおけるワクチン抗体反応と感染症に対するPFAS暴露の影響を検討することである。

方法：MEDLINE/Pubmedデータベースから2023年2月1日までの出版物を検索し、PFAS暴露とヒトの健康に関するヒトの研究を特定した。対象となる研究は、疫学的研究デザインであり、妊娠中または小児期のPFAS曝露と小児用ワクチンの抗体価または小児感染症の発生とのロジスティック回帰分析を行ったものでなければならない。PFASへのベースライン暴露量（単位：ng/mL）、PFAS暴露の年齢（妊娠中または年）、転帰に関する情報が測定され、各研究内で複数の暴露-転帰比較につながる可能性がある情報が収集された。PFAS暴露2倍あたりの抗体価および感染症発症の変化率および標準誤差を算出し、各研究の質評価を行った。

結果：17の論文が組み入れ基準に合致し、メタ解析に含まれた。一般的に、抗体反応のわずかな低下と、PFAS暴露と小児感染症との間にいくつかの関連が観察された。

結論：このメタアナリシスは、乳幼児および小児の免疫健康に対するPFASの影響に関する知見をまとめたものである。感染症に関する免疫抑制所見では、PFAS暴露、特にPFOS、PFOA、PFHxS、PFNAに関連する示唆的証拠が得られたが、抗体価低下に関する証拠は中程度か全くなかった。

システマティックレビューの登録：このシステマティックレビューの研究プロトコルは、オープンサイエンスフレームワーク( https://doi.org/10.17605/OSF.IO/5M2VU )に登録されており、アクセス可能である。