小児の果物アレルギーとアナフィラキシー:原因果物と臨床所見。
DOI:10.2500/aap.2024.45.240027
アブストラクト
背景果物アレルギーは通常、軽度から中等度の症状を呈するが、アナフィラキシーなどの重篤な全身反応が起こることもある。目的本研究は、果物アレルギーおよび果物誘発アナフィラキシー患者の臨床的および検査的特徴を検討することを目的とした。方法2017年1月から2023年1月の間にDışkapı Hematology and Oncology HospitalおよびBilkent City Hospitalで果物アレルギーと診断された患者を本研究の対象とした。アナフィラキシーの診断はEuropean Allergy and Clinical Immunology Anaphylaxis Guidelineに従って行った。結果研究期間中、当院では9432人の患者に対して食物アレルゲンによる皮膚プリックテストを実施し、78人(0.82%)に果物アレルギーが検出された。カルテにアクセスできない患者5人を調査から除外した。40例(54.8%)が男子であった。症状発現時の年齢中央値(四分位範囲)は72ヵ月(12.5-144ヵ月)であった。68例(93.2%)がアレルギー性疾患を合併しており、その中で最も多かったのはアレルギー性鼻炎であった(n = 48 [65.8%])。73人の患者は126種類の果物に対する既往歴があった。25人の患者(19.8%)は複数の果物にアレルギーがあった。最も多かった果物のアレルゲンはバナナ(22/126 [17.4%])で、次いでモモ(18/126 [14.2%])、キウイ(17/126 [13.5%])であった。粘膜皮膚所見は、果物摂取後に最も多く観察された(120/126例[95.2%])。アナフィラキシーは21の果物で17人(23.2%)に発現した。アナフィラキシーと最もよく関連した果物はバナナ(6/21 [28.6%])とキウイ(6/21 [28.6%])であった。結論果物アレルギーは、一般に口腔アレルギー症候群などの軽度の症状を呈するが、アナフィラキシーなどの重篤な全身症状が認められることもある。キウイとバナナは、最も一般的にアナフィラキシーを引き起こす果物である。特にアナフィラキシー患者における耐性の発達については、より包括的な研究が必要であるが、責任ある果物回避が最も重要な戦略であることに変わりはない。