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注意欠陥多動性障害児における鉄補給:単一施設研究。
アブストラクト
目的:注意欠陥多動性障害(ADHD)児の症状に対する鉄補給の効果を評価する。
方法:インド北部の3次医療機関の児童発達クリニックに通う、新たにADHDと診断された4~12歳の小児を対象に、前向き単群介入研究を行った。ベースラインのヘモグラムと血清フェリチン値を全児童で評価した。ADHDの症状の重症度は、年齢相応の神経心理学的質問票、およびベースライン時と6週間の経口鉄療法後の注意力の客観的検査で評価された。
結果:32人の参加者のうち、23人は登録時にフェリチンが十分であった(血清フェリチン>30ng/mL)。フェリチン充足群とフェリチン欠乏群では、ベースライン時の神経心理学的検査のスコア中央値に差はなかった。コナー評価尺度(Conner's Rating Scale)の不注意と多動性サブスケールの中央値(P = 0.036)に統計学的に有意な変化がみられ、また注意力テスト(Children's Color Trails Test:CCTT)(P = 0.006)でも有意な改善がみられた。
結論:本研究は、小児のADHD症状の治療における鉄補給の有望な結果を示した。キーワードADHD、貧血、不注意、血清フェリチン。