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PEX6のイントロン10における新規スプライスバリアントは、中国人新生児におけるZellweger症候群と関連している。
DOI:10.1016/j.gene.2024.148767
アブストラクト
背景:ゼルウィガー症候群(ZS)は、ペルオキシソーム機能に影響を及ぼすPEX遺伝子変異に起因する稀な疾患である。PEX6のコード変異がZSの原因であることは知られているが、非コード変異の影響はあまり明らかではない。
方法:中国人の新生児とその家族を対象に、全エクソームシークエンシング(WES)とバイオインフォマティクスを行い、変異の病原性を評価した。詳細なスプライシングバリアント解析のためにミニ遺伝子アッセイも行った。
結果:WESにより、複合ヘテロ接合性のPEX6バリアントが同定された:c.315G>A(p.Trp105Ter)とc.2095-3 T>G。ミニジーンアッセイにより、後者のバリアントはmRNAのスプライシング異常を引き起こし、PEX6の発現においてエクソン11が欠損し、ナンセンスを介したmRNA崩壊(NMD)または切断されたタンパク質構造を引き起こす可能性が示された。
結論:本研究は、PEX6:c.2095-3 T>Gが患者の病態に遺伝的に関与している可能性を示唆し、PEX6の既知の変異スペクトルを広げた。これらの知見は、このような変異体に対する遺伝子治療の可能性を示唆するものである。