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BTD遺伝子スクリーニングのためのOxford nanopore sequencingベースのアッセイ:トルコ人集団におけるデザイン、臨床的検証、バリアント頻度評価。

DOI:10.1016/j.gene.2024.148782

アブストラクト

ビオチニダーゼ欠損症(BTD)は、水溶性ビタミンであるビオチンの再利用障害を特徴とする常染色体劣性遺伝性疾患であり、主に神経症状や皮膚症状など、軽度から重度までの臨床症状を呈する。ビオチンの補充は治療の基本であるが、診断は血清酵素活性の測定に依存することが多く、遺伝子解析によって確認する必要がある。そのため、BTDの鑑別診断には分子生物学的手法が必要となる。そのため、発症率の高い国では、BTの新生児スクリーニングプログラムに次世代シーケンサー(NGS)技術を導入している。とはいえ、NGSプラットフォームは確立されているとはいえ、BTDを対象とした新生児スクリーニングプログラムには、コスト、労力、アクセス性、期間などの点で課題があるため、効率的かつ広範なスクリーニングを確実に行うためには、こうした制約に代わるシステムの検討が必要である。ここで、第3世代のシーケンスプラットフォーム、特にオックスフォード・ナノポア・テクノロジー(ONT)は、関連する課題に対する有望な解決策を提示している。そこで本研究では、BTD遺伝子をスクリーニングするためのONTベースのアッセイ法の開発を目指した。リファレンスDNAを用いたロングPCR用のプライマーを設計し最適化した後、酵素アッセイで診断され、イルミナベースのシーケンサーで確認されたBTD患者を対象に、ONTアッセイの性能を評価した。その結果、2つの方法の間に強い相関が認められ、ONTベースのアッセイの信頼性が示された。さらに、BTD用に特別に調整されたこの初の自社単一遺伝子検査は、既知の遺伝子変異を高いシーケンス深度で検出することに成功し、ヒト遺伝学におけるONTベースのシーケンスの有効性を確認した。

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