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特発性低身長児における腸内細菌叢と代謝の変化。

DOI:10.1186/s12887-024-04944-3

アブストラクト

背景:特発性低身長症(ISS)は、原因不明の低身長を特徴とする。最近の研究で、ISS児では腸内細菌叢が異なり、糞便中の短鎖脂肪酸が減少していることが示された。しかし、ISSの病態におけるマイクロバイオームと代謝産物の役割については、未だ不明な点が多い。

方法:我々は中国人被験者51名を募集し、その内訳はISS児26名と健常対照25名であった。グループ間の糞便代謝プロファイルを探索するため、非標的メタボロミクスを実施した。ショットガンメタゲノムシーケンス法を用いて、菌株レベルでのマイクロバイオームを調査した。身長の標準偏差(SD)値と腸内細菌叢および代謝産物との相関を明らかにするために、仲介分析を行った。

結果:ISS群では糞便中の代謝産物組成に顕著な差が認められ、特にエルシン酸が有意に増加し、スペルミジン、アデノシン、L-5-ヒドロキシトリプトファンが対照群と比較して減少していた。さらに、異なる代謝プロファイルに関連する特定の菌株群を同定した。メディエーション解析により、50の関連性が確立された。微生物叢と代謝産物のKEGGパスウェイ解析により、栄養障害が示唆された。選択された13の特徴は、受信者動作特性(ROC)解析により、ISS児と対照児を正確に区別することができた(AUC = 0.933 [95%CI, 79.9-100%])。

結論:本研究は、マイクロバイオームと微生物由来の代謝産物が子どもの成長に一定の役割を果たすことを示唆している。これらの知見は、ISSの根底にあるメカニズムをより深く理解するための新たな研究の方向性を提供するものである。

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