アラブ首長国連邦における円形脱毛症の疾患疫学、併存疾患、治療パターン、医療資源利用の請求データベースを用いたレトロスペクティブ分析。
DOI:10.1111/1346-8138.17381
アブストラクト
円形脱毛症(AA)は、非瘢痕性脱毛として現れる自己免疫疾患であり、かなりの疾病負担を強いる。本研究では、e-claimsデータベースを用いて、アラブ首長国連邦のドバイにおける民間保険加入の円形脱毛症患者における疾患負担、併存疾患、治療パターン、円形脱毛症の診断に関与した専門分野、医療資源利用(HCRU)、および関連費用を評価した。2014年1月1日から2022年6月30日までのDubai Real-World Database e-claimsデータを用いて、後ろ向き縦断的二次研究を行った。指標期間(2015年1月1日~2021年6月30日)にAAの診断請求が1件以上あり、継続加入(指標期間後にAA/非AAの請求が1件以上)している患者を解析対象とした。患者は、診断コードと治療パターンに基づき、軽症、中等症~重症、その他としてサブコホートに層別化された。人口統計、併存疾患、治療パターン、受診した専門医、HCRUが評価された。対象はAA患者11851人(平均年齢:軽症:37歳、中等症〜重症:36歳)で、男性優位であった(軽症:77.6%、中等症〜重症:60.8%)。中等度から重度のAAサブコホートで最も多くみられた併存疾患は、接触性皮膚炎および湿疹(62.1%)、アトピー性皮膚炎(36.1%)、喘息(36.1%)を含む自己免疫疾患およびT-ヘルパー2介在性免疫疾患であった。ほとんどの患者は、治療のアドバイスのために皮膚科を受診しており(軽症AA:87.4%、中等症から重症AA:47.7%)、特に、AAと診断されてから1日以内に受診していた。ステロイド外用薬は、重症度に関係なく、全コホートで頻繁に処方された。AA患者における併存疾患の解析から、これらの患者群ではさらにHCRUの負担があることが示された。疾患特異的HCRU費用の中央値は、自己免疫疾患およびT-ヘルパー2介在性免疫疾患に対して、心理学的併存疾患の方が高かった(224.99USドル対103.70USドル)。したがって、自己免疫経路を標的とする新規治療に投資することで、AAの効果的な管理におけるギャップに対処できる可能性がある。