エプスタイン・バーウイルス(EBV)の非典型的血清学的プロファイルの調査。
DOI:10.1016/j.jviromet.2024.115002
アブストラクト
背景: VCAおよびIgG EBNAを指向するIgGおよびIgMを検出する市販のイムノアッセイは、EBVの免疫状態を評価するために併用されている。しかし、この方法では、最近/過去のEBV感染や免疫の欠如を確認/除外できるとは限らない。
目的:本研究の目的は、非典型的なEBV血清学的プロフィールを示す検体について補完的な検査を実施し、それらがどのような臨床状況に対応するかを明らかにすることである。
研究デザイン:EBV血清学的検査は、EBV VCA IgM/IgGとEBNA IgG LXL® DiaSorin assayを用いて行った。補完的検査として、ELISA IgM VCA、イムノブロット、CMV IgM/IgG、CMV IgG avidity、EBV PCRを行った。
結果:本研究では、12810例のEBV血清学的結果が解析され、3580例(28%)の非典型的プロファイルが検出された。このうち、単離されたVCA IgGが42.9%、3つの陽性マーカーが29.1%、単離されたEBNA IgGが18.5%、単離されたVCA IgMが6.4%、VCA IgM陽性&EBNA IgG陽性が3.1%であった。単独で検出されたVCA IgGは100%の症例で特異的であり、単独で検出されたEBNA IgGは91.7%の症例で特異的であった。VCA IgM単独陽性は52.8%で偽陽性あるいはCMVとの交差反応によるものであった。VCA IgM陽性かつEBNA IgG陽性のパターンは、83.4%の症例でVCA IgM、EBNA IgG、またはその両方が偽陽性であった。EBV VCA IgM/IgG陽性とEBNA IgG陽性は、66.7%の症例で活動性EBV感染を検出する信頼性に欠けた。
考察:非典型的なEBV血清学的プロファイルは、いくつかの臨床状況に対応する可能性があり、補完的な検査によって98.5%以上の症例で免疫状態を判定することが可能であった。