胎児期別の胎内大気汚染暴露と双胎児の胎盤重量との関連。
DOI:10.1016/j.placenta.2024.07.309
アブストラクト
はじめに:本研究では、妊娠第1期、第2期、第3期における母親の粒子状物質(PM)および二酸化窒素(NO)への曝露と、出生時の双子の胎盤重量および出生体重/胎盤重量比(BW/PW)との関連を検討した。
方法:East Flanders Prospective Twin Surveyの3340人の双子の横断データを用いた。大気汚染物質曝露は空間的時間内挿法で推定した。胎盤が別々の双子について、新生児の血縁関係を考慮したランダム切片を用いた一変量および多変量混合モデル解析を行った。胎盤が1つの双生児ペアについては、線形回帰とロジスティック回帰を用いた。
結果:胎盤が別々であった中等度から後期早産の双胎では、胎盤重量がPMまたはNOが10μm/m増加するごとに、胎盤重量はそれぞれ-19.7g(95%-C.I. -35.1;-4.3)および-17.7g(95%-C.I. -30.4;-0.5)減少した。その結果、BW/PW比は大気汚染曝露量が多いほど増加した。妊娠最終週におけるPM曝露は、「妊娠週数に対して小さい胎盤」(胎盤重量が10パーセンタイル未満)の高いオッズ比(OR)1.20(95%-C.I. 1.00;1.44)と関連していた。逆に、妊娠第1期の大気汚染物質曝露は、0.55(95%-C.I. 0.35;0.88)および0.60(95%-C.I. 0.42;0.84)という低いORと関連していた。
考察:胎盤重量に対するPMとNOの関連は、妊娠期間特異的であり、胎盤が1個の双胎と2個の双胎で異なり、中等度から後期の早産の双胎で最も顕著である。大気汚染物質への曝露と胎盤重量の変化との関係を、異なる妊娠期にわたってよりよく理解するためには、縦断的研究が必要である。