標準化乳幼児神経発達アセスメント(SINDA)の予測的妥当性:低リスクサンプルにおける発達遅滞リスクのある4~5歳児を同定する。
DOI:10.1016/j.earlhumdev.2024.106097
アブストラクト
背景:発達障害の早期発見は、早期介入を可能にするため重要である。ハイリスク児を対象とした先行研究では、標準化乳幼児神経発達アセスメント(SINDA)の非典型的スコアが、その後の神経発達障害(脳性麻痺、知的障害など)の高い予測値となることが明らかにされている。
目的:本研究では、4~5歳時の発達遅滞のリスクを同定するためのSINDAの予測値について検討した。
研究デザイン:コホート研究。
対象:オランダの低リスク児786人(男児367人、妊娠週数中央値:40週(27-42週)、平均出生体重:3455(SD 577)g)。
アウトカム評価:2~12ヵ月時にSINDAを評価し、4~5歳時にAges and Stages Questionnaire(ASQ)を用いて発達遅滞のリスクを評価した。SINDAの予測値は、ASQの5つの領域と、著しい(ASQの全領域が逸脱している)発達遅滞のリスクのある小児およびいずれかの(ASQの1つ以上の領域が逸脱している)発達遅滞のリスクのある小児のASQ合計得点について決定された。
結果:非典型的なSINDAスケールスコアが1つでも存在する場合、顕著な発達遅滞およびいずれかの発達遅滞のリスクがある子どもに対して、低~中程度の感度(12~88%、SINDAスケールとASQドメインによる)、中~高程度の特異度(66~94%)、低い陽性的中率(PPV;3~16%)、高い陰性的中率(NPV;95~100%)を示した。複数の非典型的なSINDA尺度得点の存在は、逸脱したASQドメインをわずかによく予測した(感度=11~62%、特異度=90~98%、PPV=6~30%、NPV=95~100%)。
結論:低リスクの乳児では、SINDAの予測的価値は、感受性の低さに反映されているように、4-5歳時の著しい発達遅れのリスクのある子どもの検出には低い。その説明の一つは、低リスク集団における発達遅滞の有病率が比較的低いことである。このことは、一般的な医療環境(例:小児保健クリニック)におけるSINDAの適用に影響を及ぼすかもしれないが、この結論を導き出すためにはさらなる研究が必要である。
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