COVID-19が小児喘息に及ぼす影響に関する最近の知見。

アブストラクト

はじめに：重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2（SARS-CoV-2）の出現とそれに続くコロナウイルス疾患2019（COVID-19）の大流行は、小児喘息への影響について疑問を投げかけている。本総説では、COVID-19と小児喘息の動態を包括的に理解するために、最新の研究を分析している。

対象分野：本解説では、COVID-19が小児喘息に及ぼす影響を検討し、臨床転帰、免疫反応、推奨される治療法、SARS-CoV-2株の影響、COVID-19ワクチン接種について検討した。データは2020年1月から2023年11月までのデータベース（PubMed、Embase、BioRxiv/MedRxiv）から入手した。

専門家の見解：COVID-19のパンデミックに対応して、国際的な科学界は急速に広範な知識を発展させ、これまでにない協力体制を築いた。このような進歩にもかかわらず、SARS-CoV-2感染と小児喘息については疑問が残っている。ほとんどの研究は、さまざまな方法を用いた疫学研究であり、時には矛盾した結果をもたらすこともある。一般的に喘息は小児の重症COVID-19のリスクを増加させなかったが、喘息がコントロールされていないことは危険因子であり、喘息管理を維持することの重要性が強調された。遠隔医療は喘息のコントロールに有効であることが証明されており、その限界にもかかわらず、今後も成長し続けるであろう。注目すべきは、アレルギー性喘息が重症のCOVID-19に対して予防的な役割を持つ可能性があることである。我々は、喘息患者を含む小児年齢層におけるCOVID-19ワクチン接種を推奨する。