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イランにおける発達障害児の親へのF-Words for Child Developmentの普及:質的なパイロット調査。

DOI:10.1111/cch.13321

アブストラクト

背景:小児期の障害に対する考え方は、歴史的に「治す」という生物医学的な取り組みが中心であった。しかし、WHOのICFという健康の枠組みやカナダの研究者が提唱した「Fワード」(functioning、fitness、fun、friends、family、future)が導入され、この分野は大きく変化した。Fワード」の考え方が、子どもの能力やリハビリテーションの目標に対する親の見方に影響を与えるかどうかを探るため、この質的パイロット研究では、発達障害の子どもを持つイラン人の親に「Fワード」を紹介した。

方法:本研究は、2023年にイランのタブリーズにおいて、CanChild F-words Knowledge Hubで公開されているアイデアをもとに作成されたイランの教育用F-words教材を使用して実施された。データは、「F-words Awareness Session」に参加する前と後の、発達障害のある5歳未満の子どもを持つ5人の母親との半構造化面接によって収集され、主題分析によって分析された。

結果:事前インタビューでは、6つのテーマ(および20のサブテーマ)が抽出された:(i)日常(5)、(ii)課題(4)、(iii)親の懸念(3)、(iv)子どものニーズと優先事項(3)、(v)ニーズと課題を満たすための親の役割(2)、(vi)リハビリテーションへの期待(3)。ポストインタビューでは、同じ6つのテーマと、さらに4つのサブテーマが浮かび上がった。

結論:パイロット調査の結果から、介入は参加者の態度や行動に影響を与えることが示された。具体的には、Fワードについて教えることで、親が「正常」という概念を重視する傾向が弱まった。Fワード啓発セッション」に対する家族の好意的な反応は、彼らがこのアプローチを日常生活に取り入れることに前向きであることを示している。これらの知見は、イランにおけるリハビリテーションにFワードを活用することの潜在的な利点を強調するものである。このような研究は、F-wordsをイランの既存のリハビリテーション実践に組み込むための効果的な戦略を開発するための基礎となる。

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