牛乳誘発性FPIESの乳児の腸内細菌叢は、腸内細菌の分類群と遺伝子に富んでいる。
DOI:10.1002/jpn3.12356
アブストラクト
目的:食物タンパク質誘発性腸炎症候群(FPIES)は、非IgE(免疫グロブリンE)介在性(NIM)食物アレルギーの重症型であり、牛乳(CM)が最も一般的な原因食物である。CMFPIESの乳児における腸内細菌叢およびその代謝産物と炎症プロセスとの関係は不明であるが、NIM患者における微生物異常は示唆されている。本研究は、CM FPIESと診断された乳児の糞便中の腸内細菌叢およびその代謝産物と局所免疫系との相互作用に関する知見に貢献するために行われた。
方法:CM FPIESの乳児12名とマッチさせた健常対照群をリクルートし、16Sアンプリコンとショットガンシーケンスにより腸内細菌叢を調査した。脂肪酸(FA)はガスクロマトグラフィーで測定し、免疫因子は酵素結合免疫吸着測定法とLuminex技術で測定した。
結果:CM FPIES患者の腸内細菌叢には特異的なパターンが認められ、腸内細菌が多いことが特徴であった。また、これらの乳児の糞便中にFAsの強い排泄が観察された。さらに、便中ビフィズス菌と免疫因子との間に相関が認められた。
結論:これらの便中ビフィズス菌測定は、本症の病態生理を知る上で有用であり、FPIES患者を対象とした今後の研究において考慮されるべきである。