成長を育む:ケトン食療法と12ヶ月未満のてんかん児の成長速度-系統的レビューと乳児データ研究。
DOI:10.1016/j.yebeh.2024.110011
アブストラクト
ケトジェニック食療法(KDT)は、初期のてんかん性脳症や特定の病因の治療法として確立されているが、乳児期の成長への影響については依然として議論の余地がある。われわれの目的は、早期KDTが成長速度と身長のパーセンタイルに及ぼす影響を、2つの課題をクリアしながら検討することであった。まず、12ヶ月未満の乳児の成長に関する文献を系統的にレビューした。第二に、KDTを受けた12ヵ月未満の乳児(n=63)を含む、我々の前向きデータベースからのデータを分析した。文献レビュー(n = 7)は記述的なもので、成長速度が記述されていないため、成長パーセンタイルとzスコアを含む。2010年までの研究では、絶食、カロリー制限、3:1以上の比率が用いられていた。個々の症例では有意な成長遅延が認められたが、他の著者は成長パラメータに変化を認めなかった。我々のコホートにおける研究評価項目は、成長速度のzスコア、身長の標準偏差(SD)、体重、BMI、個々の身長パーセンタイルからの偏差、1日の多量栄養素摂取量であった。成長速度のzスコアの中央値は1.03(生後1年目)であった。3ヵ月後の1日摂取量の中央値は、タンパク質が1.68g/kg、エネルギーが85kcal/kgであった。1歳までは、成長速度も個々の成長パーセンタイルも低下しなかった。乳児は3ヵ月時点で明らかな成長の改善を示したが、これはおそらく継続的な栄養モニタリングと発作の減少によるものであろう。生後2年目には、成長速度のzスコアがKDTを投与されたままの患者で低下した(12ヵ月時の1.03から24ヵ月時には-1.5)。さらに、てんかん発症時およびKDT開始時の年齢の低さは、生後1年間の成長速度の遅さと相関していた。適切な栄養摂取とモニタリングにより、KDTは生後1年間の成長を低下させない。今後の方向性としては、小児期を通じてKDTが成長速度や成長ホルモンに与える影響を研究することが考えられる。