4つの腸管超音波スコアと腸管壁の厚さだけが、小児潰瘍性大腸炎の疾患活動性とよく相関していた。
DOI:10.1002/jpn3.12358
アブストラクト
目的:腸管超音波検査(IUS)は潰瘍性大腸炎(UC)における非侵襲的なツールであるが、スコアリングシステムは成人、クローン病、フレージングUCを対象として開発されたものがほとんどである。われわれの目的は、新たにUCと診断された小児患者において、腸管壁の厚さ(BWT)と4つのIUSスコアの性能を評価することであった。
方法:UCが疑われる18歳未満の患者を前向きに登録した。ベースラインIUSを行い、潰瘍性大腸炎腸管超音波スコア(UC-IUS)、ミラノ基準、単純小児活動性超音波スコア(SPAUSS)、Civatelli Indexを算出した。Mayo内視鏡セグメントサブスコア、小児潰瘍性大腸炎活動性指標(PUCAI)、およびバイオマーカーは、ノンパラメトリックおよび受信者動作特性分析を用いてIUSと相関させた。
結果:52例(男性56%、年齢中央値13.9歳、四分位範囲[IQR]11.2-16.3)の206大腸セグメントを対象とした。入院が必要であった患者(n = 27/52)は、入院しなかった患者に比べ、IUS(BWTおよび全スコア)が有意に不良であった。全患者について、IUSスコアとBWTはベースラインの内視鏡的、臨床的、生化学的疾患活動性と有意に相関した(p = 0.32-0.67, p < 0.05)。BWT(τ=0.53)、UC-IUS(τ=0.55)、Milan(τ=0.52)は内視鏡的相関が最も強かった。内視鏡的重症度の鑑別では、BWT、UC-IUS、Milanの曲線下面積が最も大きかった(0.89-0.93)。BWTのみを用いた場合、より薄いカットオフ値は高い特異性を維持しながら感度を改善した:中等度/重度の内視鏡的炎症は2.5mm以上(感度66%;特異度94%)、重度の内視鏡的炎症は3.5mm以上(感度92%;特異度86%)。
結論:BWTと4つのIUSスコアはすべて、内視鏡的、臨床的、生化学的疾患活動性とよく相関し、入院が必要な患者を同定するためのもう一つの有用な重症度マーカーであった。小児患者にはより薄いBWTカットオフ値が必要であり、これは小児特有のスコアを開発する際に考慮されるべきである。BWTのみでもUSの複合スコアと同様に臨床的に有用である可能性がある。