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気温と小児てんかん入院リスク:気温の極端な変化と大気汚染の影響によるリスクは無視される可能性がある。

DOI:10.1016/j.yebeh.2024.109992

アブストラクト

目的:気候変動を背景に、異常気温と大気汚染は人間の健康にとってますます重要なリスク因子となっているが、神経疾患に関するエビデンスは限られている。本研究は、小児てんかんに対する極端な気温の短期的影響を調査し、大気汚染の潜在的修飾効果を探ることを目的とした。

方法:2016年から2018年にかけて、中国安徽省の10都市から小児てんかんの入院日数、気象データ、大気汚染データを収集した。まず、気温とてんかんの短期的な関係を適合させるために、空間・時間層別ケースクロスオーバーデザインと条件付きロジスティック回帰モデルを採用した。次に、大気汚染の程度と個人の特徴による層別分析を行った。

結果:極端な暑さと極端な寒さは、小児てんかんの入院リスクを増加させた。入院に対する極端な暑さ[97.5th vs. 最低入院温度(MHT)]の影響は急性であり、ラグ0[OR:1.229(95%CI:1.035~1.459)]で出現した。一方、極端な寒さ(2.5th vs. MHT)の影響は遅延性であり、ラグ5[OR:1.098(95%CI:1.043~1.156)]で出現した。また、6~18歳の子どもは、0~5歳の子どもよりも極端な寒さに弱いことがわかった。さらに、極端な暑さと寒さの影響は、大気汚染物質のレベルによって異なっていた。

結論:本研究は、極端な気温が小児てんかんの新規の危険因子であるが、現在無視されている可能性を示唆しており、大気汚染は気温の悪影響をさらに増幅させる可能性がある。

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