同種造血幹細胞移植後の再発/難治性急性骨髄性白血病の小児における「90日目」CD4+ T細胞の臨床転帰への影響。
DOI:10.1016/j.trim.2024.102112
アブストラクト
背景:造血幹細胞移植(HSCT)後の合併症の重症度は、免疫再構成の程度によって決まる。しかし、同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)を受けた小児患者の免疫再構築と予後との関連は依然として不明である。そこで本研究の目的は、同種造血幹細胞移植後の難治性または再発急性骨髄性白血病(R/R-AML)と診断された小児患者において、リンパ球サブセットの影響を評価することであった。
方法:2019年9月から2022年10月までに蘇澳大学小児病院でR/R-AMLと診断された小児130人を対象に、allo-HSCT後d90(D90)における予後とリンパ球サブセットをレトロスペクティブに調査した。D90のフローサイトメトリー解析によりリンパ球サブグループを評価し、ヒト白血球抗原(HLA)適合の兄弟ドナー造血幹細胞移植(MSD)群(n=14)、ハプロアイデンティカルドナー造血幹細胞移植群(n=94)、HLA適合の非血縁ドナー造血幹細胞移植群(n=22)で比較した。リンパ球サブグループの数および頻度と予後との関連を評価した。
結果:MSD群では、CD4+ T細胞の頻度と数が最も多かった(P < 0.001)。調査したリンパ球サブセットの中で、D90におけるCD4+T細胞の割合が低い(<14.535%)ことは、サイトメガロウイルス感染のリスクが高いことと相関していた(P = 0.002)。造血幹細胞移植後 D90 での CD4+T細胞数が多い(>121.39/μL)ことは、全リンパ球サブグループで致死リスク低下の単一予測因子であった(単変量:P = 0.038 カットオフ:121.39/μL;多変量:P = 0.036)。再発との関連は認められなかった。
結論:CD4+T細胞数は、造血幹細胞移植後早期に死亡リスクの高いR/R-AMLの小児患者を同定するために使用できる可能性がある。
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