フィリピンにおけるワクチン未接種の家庭内接触者における新規SARS-COV-2ワクチン(SCB-2019)の間接的有効性:クラスター無作為化解析。
DOI:10.1016/j.jinf.2024.106260
アブストラクト
背景:観察的証拠はSARS-CoV-2ワクチンの間接的効果を支持しているが、無作為化実験は不足している。このギャップを解決するために、アジュバントサブユニット蛋白COVID-19ワクチンSCB-2019の個別無作為化プラセボ対照試験(EudraCT, 2020-004272-17; ClinicalTrials.gov, NCT04672395)のフィリピン人参加者の家庭内接触者(HHC)の二重盲検前向き追跡調査をクラスター無作為化法で解析した。
方法:8週間にわたり、SARS-CoV-2感染を検出するため、HHCをrRT-PCRと迅速抗体検査(RAT)で追跡した。標準解析では、登録時にRAT陽性のHHCを除外し、各エンドポイントに対するSCB-2019の間接的有効性を推定した。二次解析では、バイアスの疑いを補正するために酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)の結果を用いた。
所見:SCB-2019(N=3470)およびプラセボ(N=3225)に曝露されたHHCは、少なくとも1つの解析に寄与した。標準解析では、SCB-2019はSCIのリスクを83%(95%信頼区間[CI]:32%~96%)減少させ、ACIに対する効果はないと推定された。バイアスを補正した相対リスク低減率は、SCIで97%(95%CI:74%~100%)、ACIで79%(95%CI:14%~96%)であり、SCB-2019を1人が受けた4.8世帯あたり1件のSARS-CoV-2感染が予防されたと推定された。
解釈:SCB-2019は、HHCにおけるSARS-CoV-2感染に対して、世帯内の適度なカバー率(約25%)であっても、バイアス補正された間接的効果を示した。SARS-CoV-2ワクチンの間接的効果に関するさらなる研究が、低・中所得環境における限られた用量の影響を最適化するために必要である。