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地域保健ワーカーによる家庭訪問と固定施設ケアと子どもの生存:クラスター無作為化試験、マリ。

DOI:10.2471/BLT.23.290975

アブストラクト

目的:訓練を受けた地域保健ワーカー(CHW)による積極的な家庭訪問が子どもの生存に及ぼす影響を検証する。

方法:マリ農村部の137の村落クラスターにおいて、2群並行マスクなしクラスター無作為化試験を実施した。2017年2月から2020年1月までに、31 761人の子どもが試験開始時または出生時に登録した。村落クラスターでは、CHWによる定期的な家庭訪問によるプライマリケアサービス(介入)、またはCHWによる固定施設でのケア(対照)のいずれかを受けた。両群とも、試験開始前に利用料が撤廃され、プライマリ・ヘルスセンターの人員配置とインフラ整備が行われた。毎年調査される15~49歳の女性の生涯出生歴を用い、5歳未満児死亡率に対するintention-to-treat効果およびper-protocol効果について、ポアソン回帰モデルを用いて発生率比(IRR)を推定した。

結果:3年間で、52 970人年(介入群:27 332人年、対照群:25 638人年)を観察した。試験期間中、介入群で909人、対照群で827人の小児が死亡した。5歳未満児死亡率は、介入群では出生1,000人あたり142.8人(95%CI:133.3-152.9)から56.7人(95%CI:48.5-66.4)へ、対照群では出生1,000人あたり154.3人(95%CI:144.3-164.9)から54.9人(95%CI:45.2-64.5)へ減少した。Intention-to-treat(IRR:1.02;95%CI:0.88-1.19)およびper-protocol推定値(IRR:1.01;95%CI:0.87-1.18)では、試験群間に差はみられなかった。

結論:積極的な家庭訪問は5歳未満児死亡率を減少させなかったが、システム強化策が両群における5歳未満児死亡率の減少に寄与した可能性がある。

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