神経発達障害者における肥満度の傾向。
DOI:10.1001/jamanetworkopen.2024.31543
アブストラクト
重要性:自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの神経発達障害(NDD)は、ますます一般的になってきている。NDDを有する患者は肥満リスクが高いが、この集団における体格指数(BMI)の長期的傾向に関するデータは不足している。
目的:2004年から2020年までのBMIの経年変化を、NDDでない子供と比較して評価する。
デザイン、設定、参加者:この反復横断研究では、スウェーデンのChild and Adolescent Twin Studyのデータを用いた。1992年1月1日~2010年12月31日に生まれた小児を対象に、2004年7月~2020年4月の間に、9歳または12歳の時に自閉症-チック症、ADHD、その他の併存症目録を用いて神経発達症状のスクリーニングを行った。データ解析は2023年9月27日から2024年1月30日の間に行われた。
主要アウトカムと測定法:BMIパーセンタイル(15位、50位、85位)を分位点回帰を用いてモデル化し、NDDの有無で比較した。2004年から2020年にかけてのBMIパーセンタイルの経年変化を評価し、NDDのサブタイプ別に層別化した。
結果:コホートには1992年から2010年に生まれたスウェーデン人双生児24969人(男児12681人[51%])が含まれ、平均(SD)年齢は9歳(0.6歳)であった。このうち1103人(4%)がADHD、ASD、学習障害を含む1つ以上のNDDに陽性であった。その結果、85番目のBMIパーセンタイルにおいて、NDDを有する青少年では、NDDを有しない青少年と比較して、2004年から2020年にかけてBMIの増加が大きいことが示された(NDDの状態と時間との交互作用[βint]のβ、1.67;95%CI、0.39-2.90)。ASD(βint、2.12;95%CI、1.26-3.70)と学習障害(βint、1.92;95%CI、0.65-3.82)で最も大きな乖離が見られた。最新のコホート(2016~2020年)では、85番目のBMIパーセンタイルは、NDDのない子どもと比較して、NDDのある子どもで1.99(95%CI、1.08~2.89)ポイント高かった。
結論と関連性:この反復横断研究において、BMI分布の高位側では、NDDを有する小児はNDDを有しない小児と比較して16年間にわたりBMIが有意に増加しており、NDDを有する小児はNDDを有しない小児と比較して経時的に過体重のリスクが増加していることが明らかになった。この高リスク集団に的を絞った肥満予防の取り組みが必要である。
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