同種造血細胞移植後の小児におけるサイトメガロウイルス再活性化の2つの移植時代における比較。
DOI:10.1016/j.transproceed.2024.08.028
アブストラクト
背景:サイトメガロウイルス(CMV)の再活性化は、免疫系が薬剤やその他の要因の影響を受けない限り、通常無害であると考えられている。CMVの再活性化は、Grade IIからIVの急性移植片対宿主病の結果として起こる可能性がある。このリスクの一因として考えられるのは、遺伝的類似性や関係性を欠くドナーの増加である。我々は、移植前の抗CMV IgG値が、造血細胞移植後のCMV再活性化の可能性を示す指標となる可能性があると仮定した。
方法:1998年から2022年の間に同種造血幹細胞移植を受けた若年者のコホートを調査し、CMV再活性化の発生を評価した。患者は1998年から2016年(比較群)と2017年から2022年(介入群)の2つの期間に分けられた。
結果:1998年から2016年の間に292人の患者が造血HCTを受けた。2017年から2022年のレシピエントは、1998年から2016年のレシピエントよりもCMV再活性化のリスクがわずかに高かった。予防的投薬と先制的投薬の比較では、期間間に有意差は認められなかった(P = 0.32)。1998年から2016年に治療を受けた患者は、2017年から2022年に治療を受けた患者と比較して、症候性CMV再活性化および関連疾患のリスクが23%減少した(それぞれP = 0.08および0.15)。
結論:介入群では症候性CMV再活性化が多かった。これには、CD19指向性免疫療法や移植前のレシピエントのCMV状態など、様々な要因が関与している可能性がある。