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ハイチにおける文脈に根ざした社会的情動の学習プログラムの有効性:試験的クラスター無作為化対照試験。
DOI:10.1016/j.jsp.2024.101349
アブストラクト
社会的情動の学習(SEL)には確固たるエビデンスがあるが、中低所得国や紛争の影響を受けた教育環境におけるプログラムの有効性に関する文献には大きな隔たりがある。本研究は、学級をベースとしたSELプログラムが、学級風土の側面と個々の生徒の社会的情緒的スキルに及ぼす効果を評価することを目的としたパイロット試験である。本研究では、10校の4年生から6年生の教室(教師39名、女性75.68%、生徒1048名、女性62.3%)を、SEL条件と待機リスト対照条件に無作為に割り付けた。SELプログラムは、生徒の達成志向に関する教師の報告(d = 1.21)と責任ある意思決定(d = 0.49)の有意な改善と関連していた。ピア感受性、教師と生徒の相互作用、生徒の対人関係スキル、全体的な社会的感情スキルについては、条件間に有意差はなかった。この結果は、COVID-19の大流行や政治的暴力による不安の高まりなど、逆境が続く状況においても、地域社会が開発した文脈に即したこのSELカリキュラムが有望であることを示唆している。