モンゴルの血友病B患者8家族の遺伝学的解析:2つの新規変異の同定
DOI:10.1002/mgg3.2495
アブストラクト
背景:本研究の目的は、モンゴルの血友病B(HB)患者および血友病保因者を対象に分子診断を行うことである。
方法:8家族からHB患者8人(重症6人、軽症2人)とその女性近親者12人を登録した。変異同定のためにサンガー配列を行った。女性親族のキャリア症状を評価するために質問紙調査を行った。
結果:2家族にHBの既往があった。重症のHB患者6人に合計5種類の変異(c.223C > T; c.344A > G; c.464G > C; c.187_188del; c.1314_1314delA)が同定された。このうち2つ(c.187_188delとc.1314_1314delA)は新規であった。軽症のHB患者2例ではF9全体に変異は認められなかった。ナンセンスc.223C > T (p.Arg75*)変異が無関係の患者2人に検出された。保因者検査により5人の母親が保因者であることが同定されたが、1人の妹は非保因者であった。軽症患者2人の女性親族6人の保因状態は未判定のままであった。質問紙調査では、遺伝学的に同定された5人の保因者のうち、保因者であることを示す顕著な症状を示したのは1人だけであった。
結論:新規変異c.187_188delとc.1314_1314delAは重症の血友病Bを引き起こす可能性がある。