炎症性腸疾患小児患者における精密医療のツールとしての新規微生物ディスバイオシス指標と腸内細菌叢関連マーカー。
DOI:10.3390/ijms25179618
アブストラクト
近年、腸内細菌叢(GM)が炎症性腸疾患(IBD)の進行に重要な影響を及ぼすことが示されている。我々の目的は、IBDの臨床的特徴および病態と関連する腸内細菌叢プロファイル、Microbial Dysbiosis Index(MDI)および腸内細菌叢関連マーカーを調査することであった。小児IBD患者35名の便および回腸生検の16S rRNAメタ解析、尿の代謝異常検査、腸管透過性検査、便の粘膜免疫活性化検査を行った。GMプロファイルに基づいて、各患者にMDIを割り当てた。統計解析の結果、MDIは臨床パラメータおよび腸内微生物関連マーカーと相関していた。MDIが高いIBD患者では、GemellaceaeとEnterobacteriaceaeが便で増加し、回腸生検で増加した。RuminococcaceaeとWAL_1855Dは活動性の病態で濃縮され、最後のものはMDIとも正の相関を示した。さらに、MDIの結果は潰瘍性大腸炎患者のPUCAIおよびMattsスコアと相関していた。最後に、我々の患者では、代謝異常、腸管透過性、粘膜免疫の活性化が検出された。結論として、MDIはIBDの重症度と活動性の両方に強い関連を示し、特にUCでは臨床スコアと正の相関を示した。従って、このエビデンスはIBDの診断および予後に有用なツールとなりうる。
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