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小児腎移植患者における抗体媒介性拒絶反応の発生率、危険因子、管理戦略、転帰-欧州小児腎移植協力イニシアチブ(CERTAIN)の多施設解析。

DOI:10.1007/s00467-024-06487-2

アブストラクト

背景:CERTAIN(Cooperative European Paediatric Renal Transplant Initiative)による本研究は、小児腎移植レシピエント(pKTR)における抗体媒介性拒絶反応(AMR)の発生率、危険因子、現在の管理戦略、転帰を明らかにすることを目的とした。

方法:CERTAIN(Cooperative European Paediatric Renal Transplant Initiative)レジストリに報告されたデータを用いて、国際的、多施設、縦断的コホート研究を行った。ヨーロッパの21施設からの337例のpKTRを解析した。腎機能障害、拒絶反応、HLAドナー特異的抗体、BKポリオーマウイルス関連(BKPyV)腎症、移植片喪失などの臨床転帰を移植後5年まで評価した。

結果:移植後のde novoドナー特異的クラスI HLA抗体(HLA-DSA)の累積発生率は、1年目で4.5%、3年目で8.3%、5年目で13%であった。de novoクラスII HLA-DSAに対応するデータは、それぞれ10%、22.5%、30.6%であった。移植後5年間の急性ABMRの累積発生率は10%、慢性活動性ABMRの累積発生率は5.9%であった。HLA-DRミスマッチとde novo HLA-DSA、特にクラスIとクラスIIのHLA-DSA二重陽性はABMRの有意な危険因子であったが、サイトメガロウイルス(CMV)IgG陰性のレシピエントとCMV IgG陰性のドナーはより低い危険因子と関連していた。BKPyV腎症は移植片機能不全の最も高いリスクと関連しており、次いでABMR、T細胞介在性拒絶反応、ドナーの年齢が高かった。

結論:本研究は、pKTRにおけるde novo HLA-DSAおよびABMRの発生率を推定し、移植片機能不全の強力な危険因子としてのBKPyV腎症の重要性を明らかにするものである。

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