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注意欠陥多動性障害児における顔の感情認識。

DOI:10.1080/08039488.2024.2403589

アブストラクト

目的:注意欠陥多動性障害(ADHD)は、不注意と多動性-衝動性の持続的パターンと定義され、機能および発達を妨げる。感情反応性の亢進と感情調節の障害は、ADHDの子どもにおいて確立された所見である。また、衝動制御やワーキングメモリなどの実行機能の障害も、感情認識に悪影響を及ぼすことが示唆されている。しかし、ADHDにおける顔面感情認識能力の障害が疑われる研究については、現在までのところ賛否両論の結果が得られている。われわれは、ADHD児における感情認識機能障害のメカニズムを明らかにすることを目的とした。

方法:ADHDと診断された61名の小児(10.36±1.89歳)と対照群(78名;9.6±1.8歳)を対象に、認知能力と顔面感情認識能力について質問紙調査とコンピュータ検査を行った。

結果:ADHD群は対照群に比べ、行動上の問題が多く、認知テストの成績も悪かった。線形回帰モデルで年齢、IQ、性別をコントロールした場合、集団の状態(すなわちADHD群とコントロール群)は顔面感情認知を予測しなかった。ADHD 群では、Divided Attention の成績が顔面感情認知を線形回帰で予測した。

結論:ADHD患者は、定型発達の対照群と同程度の顔面感情認知能力を示した。分割注意を評価する認知テストの良好な成績は、顔面感情認知の能力を予測したが、それはADHD群においてのみであった。

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