脳脊髄液サンプルにおけるエンテロウイルス感染の臨床疫学と分子疫学、2019~2023年
DOI:10.1002/jmv.29924
アブストラクト
非ポリオエンテロウイルス(NPEV)中枢神経系(CNS)感染症と診断され(n=47 vs. NPEVを発症していない同時期の対照129人、すべて18歳未満)、来院時に脳脊髄液(CSF)検査を必要とした小児の比較レトロスペクティブ解析(2019年3月~2023年4月)を行った。その結果、パンデミックの制限中に入院が減少することが示された(13% vs 対照群33%、p=0.003)。NPEVを発症した小児の年齢中央値は41日(IQR:18-72)であり、ほとんどが男性(n=76、59%)であり、過敏症状を呈することは少なかったが(11% vs 対照群26%、p=0.04)、発熱を呈することが多く(93% vs 対照群73%、p=0.007)、呼吸数が多く(平均44bpm、SD11、 vs 対照群36bpm、SD14、p=0.001)、心拍数が多かった(平均171bpm、SD27 vs 対照群141bpm、SD36)。対照群141bpm、SD36、p<0.001)、髄液蛋白が多い(中央値0.66g/L、四分位範囲[IQR]0.46-1.01、対照群0.53mg/mL、IQR0.28-0.89、p=0.04)、髄液白血球数が多い(中央値WCC 9.5×10/L、IQR 1-16、対照群3.15×10/L、IQR 2.7-3.6、p < 0.001)、しかしCSFグルコースは低かった(中央値2.8mmol/L、IQR 2.4-3.1、対照群3.1mmol/L、IQR 2.7-3.6、p < 0.001)。系統学的解析により、これらのNPEVの起源はヨーロッパ(EV A71、CV B4、E21、E6、CV B3、CV B5、E7、E11、E18)、北米(CV B4、E18)、南米(E6)、中東(CV B5)、アフリカ(CV B5、E18)、南アジア(E15)、東/東南アジア(E25、CV A9、E7、E11、E18)、オーストラリア(CV B5)であることが示された。