軍医療システムにおける子どものワクチン接種完了と適時性:2010-2019年。
DOI:10.1542/peds.2023-064965
アブストラクト
目的:軍医療システムにおける小児ワクチン接種率を評価した研究はほとんどないが、理想的な接種率より低いことを示唆する証拠もある。本研究では、生後24ヵ月までの軍人扶養家族のワクチン接種完了率と適時性を評価した。
方法:国防総省の出生・乳児健康調査プログラムのデータを用いて、2010年から2019年に軍病院で出生した小児を特定した。ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、B型肝炎、インフルエンザ菌b型、水痘、肺炎球菌結合型ワクチンについて、個別に、また7種混合ワクチンシリーズとして、ワクチン接種の完了と適時性を評価し、ロタウイルスは個別に評価した。人口統計学的特性を調整した修正ポアソン回帰モデルを用いて、未受診と遅滞のリスク比(RR)と95%信頼区間(CI)を算出した。
結果:275 967人の小児のうち、74.4%が7回のワクチン接種を完了し、完了した小児の36.2%に遅延がみられた。2016年および2017年生まれの子どもの完了率は78.7%でピークであった。ロタウイルス(77.5%)、ジフテリア、破傷風、百日咳(83.1%)、インフルエンザ菌b型(86.6%)、肺炎球菌結合型(88.4%)が全ワクチンの中で最も低かった。未受診のリスクは、妊娠中の若い両親から生まれた子ども(調整後RR=1.33;95%CI=1.27-1.40)およびウェルチャイルドケアの場所が変わった子ども(調整後RR=1.10;95%CI=1.09-1.12)で高かった。遅延のリスクは非完了のリスクと類似していた。
結論:軍用児のワクチン接種完了率と適時性は一般的に改善されたが、接種回数が多い場合と少ない場合のワクチン接種の未完了率が高いこと、また若年層や移動の多い軍用児に格差があることから、システム上の障壁が残っていることが示唆された。