イラク、アンバール州ハディータにおけるコロナウイルスパンデミック停止が予防接種完了に与えた影響:回復しつつある医療システムにおけるワクチン接種完了のケーススタディ。
DOI:10.1016/j.vaccine.2024.126383
アブストラクト
SARS-COV2の大流行は、予防接種実施に大きな混乱をもたらした。予防接種の完了率におけるベースライン上の格差は、中低所得層における予防接種率の格差をさらに悪化させた。新たな報告では、定期的な予防接種スケジュールに戻すための世界的な戦略に焦点が当てられている。現在のところ、COVID-19パンデミック後のISIS(イラク・シリア・イスラム国)によるイラク占領のような紛争復興環境において、通常の予防接種に戻すという2つの課題を検討した研究はない。この研究の目的は、COVID-19パンデミックの停止により、定期予防接種スケジュールが失われ続けたイラクのハディータにおける生後12ヶ月から24ヶ月の子どもの数を推定することであった。2020年の閉鎖期間中に12ヵ月の予防接種が予定され、予防接種スケジュールが失われた対象出生コホートのすべての子どもについて、編集された地区保健施設登録簿から無作為抽出を行った。サンプリング枠から合計171世帯が最終サンプルに含まれた。この横断調査では、世帯主、養育者、子どもの調査データが収集された。追加の質問では、ワクチン接種のためらい、ワクチン情報の信頼できる情報源、COVID-19が医療アクセスに与える影響について評価した。DTP3(ジフテリア、破傷風、ポリオ)3回目の接種が完了していないことの予測因子をカイ二乗(Χ)を用いて評価するために、危険因子分析が適用された。調査対象児のうち、67.3%が生後12ヶ月の時点で6抗原シリーズを完了しておらず、46.2%がパンデミック停止中に完了すべきDTP3を接種していなかった。DTP3ワクチン未接種の具体的な危険因子としては、居住地域、年齢、ワクチンに関する養育者の知識が挙げられた。回答者は、集団予防接種キャンペーンに依存していることを示したが、予防接種スケジュールに関する電話による注意喚起やテレビキャンペーンを受ける意欲も示した。