小児炎症性腸疾患におけるPET/MRI-前向き精度研究。
DOI:10.1111/cpf.12903
アブストラクト
炎症性腸疾患(IBD)の病徴検出において、横断的画像診断は内視鏡検査を補完する。本研究は、IBDが疑われる小児集団におけるPET/MRIの精度を評価することを目的とした。この前向き研究では、IBDの診断評価を受けた8~17歳の患者を連続的に対象とした。43人の患者がPET/MRI検査とそれに続く回腸内視鏡検査を受け、そのうちIBDと診断された26人の患者がフォローアップ検査に参加し、そのうち19人がクローン病(CD)、5人が潰瘍性大腸炎、2人が分類不能のIBDであった。PET単独、MRI単独、PET/MRI併用の結果を、内視鏡検査および病理組織検査の参照基準と比較した。208の腸管セグメントのうち、109に炎症がみられ、99には炎症がみられなかった。セグメントごとの解析では、PETの感度は0.83(95%CI 0.73-0.93)、特異度は0.59(95%CI 0.47-0.71)、受信者動作特性曲線下面積(AUROC)は0.73(95%CI 0.67-0.80)であった。MRIの感度は0.52(95%CI 0.41-0.64)、特異度は0.89(95%CI 0.82-0.96)、AUROCは0.72(95%CI 0.66-0.77)であった。PET/MRIの感度は0.83(95%CI 0.74-0.94)、特異度は0.57(95%CI 0.44-0.69)、AUROCは0.77(95%CI 0.71-0.84)であった。追跡調査時に、PETとMRIのスコアは低下し、MRIの変化から臨床的奏効が認められた患者を同定できた。終末回腸と結腸の炎症の検出におけるPET/MRIスキャンの精度は中程度であり、どちらかのモダリティ単独よりも優れていたわけではなかった。技術の進歩と読影の併用により、PET/MRIは選択された症例においてなお価値がある可能性がある。