アメリカインディアン/アラスカ先住民の乳児におけるインフルエンザ菌b型ワクチンの免疫原性。
DOI:10.1542/peds.2024-066658
アブストラクト
目的:アメリカ・インディアンおよびアラスカ先住民(AI/AN)の乳幼児は、歴史的に侵襲性インフルエンザ菌b型(Hib)感染症の負担が大きく、特に生後早期の負担が大きい。PedvaxHIBワクチンは、1回接種後に防御抗体レベルが得られるため、AI/AN乳幼児に優先的に推奨されている。PedvaxHIBと同じHib結合体を含むが低濃度の6価ワクチンであるVaxelisは米国の小児に推奨されているが、AI/AN乳幼児に優先的に推奨すべきかどうかを知るためには、1回接種後のHib免疫原性データが必要である。
方法:AI/AN乳幼児を対象に、VaxelisとPedvaxHIBの投与1回後の免疫原性を比較する第IV相無作為化非盲検非劣性試験を実施した。参加者は、PedvaxHIBまたはVaxelisの一次投与を受ける群に無作為に割り付けられた。投与1回目の30日後に採取した血清サンプルについて,酵素結合免疫吸着分析法により抗Hib免疫グロブリンG抗体の検査を行った.抗Hib免疫グロブリンGの幾何平均濃度(GMC)比(Vaxelis/PedvaxHIB)は、制約付き縦断的データ解析により推定した。非劣性は、GMC比の95%信頼区間(CI)の下限≧0.67と事前に定義した。
結果:試験に登録された333人の乳児のうち、合計327人がper-protocol解析に組み入れられた。投与1回後の抗Hib抗体GMCは、Vaxelis群(n = 152)では0.41μg/mL(95%CI 0.33-0.52)、PedvaxHIB群(n = 146)では0.39μg/mL(95%CI 0.31-0.50)であった。制約付き縦断的データ解析のGMC比は1.03(95%CI 0.76-1.39)であった。
結論:バクセリスの投与後1回の免疫原性は、PedvaxHIBに対して非劣性であった。我々の知見は、Hib罹患リスクが高い集団であるAI/AN小児におけるバクセリスの使用を支持するものである。