先天性サイトメガロウイルス感染症の乳児におけるT細胞応答と臨床症状。
DOI:10.1172/jci.insight.171029
アブストラクト
背景先天性サイトメガロウイルス(cCMV)感染は、発達障害や感音性難聴(SNHL)を引き起こす可能性がある。cCMV感染に対する免疫応答と神経学的後遺症との関係を明らかにするため、T細胞応答と出生時の臨床症状および神経発達転帰との関連を比較した。結果感染した新生児(出生時に73%が症候性)はpp65特異的サイトカイン分泌T細胞を欠いており、CD57+、CD28-、PD-1+CD8+T細胞およびエフェクターメモリーサブセットの頻度が高かった。頻度はcCMV症状群間で重複していたが、無症状の新生児はCD57+PD-1+CD8+T細胞の頻度が高かった。その後の発達遅滞のある新生児は、検出可能なCMV特異的T細胞応答を欠き、そのパターンは非感染児と類似していた。結論 既報の報告と同様に、新生児のウイルス抗原特異的サイトカイン分泌T細胞応答は検出されなかったが、全体的なパターンから、cCMV感染によりグローバルに分化したメモリーCD8+ T細胞集団が誘導され、無症候性感染と関連する可能性のある終末分化PD-1+CD8+ T細胞の頻度が高いことが示された。このコホートでは、子宮内でのT細胞分化の欠如が発達遅延と関連しており、PD-1+CD8+ T細胞の高頻度が持続するのは、進行性のSNHLを発症した小児のみであった。本研究は、Nationwide Children's Hospitalの学内研究賞、Stanley and Susan PlotkinとSanofi Pasteurの助成によるPediatric Infectious Disease Society Fellowship Award、Nationwide Children's HospitalのAbigail Wexner Research Institute、Pediatric Infectious Diseases Society FoundationのPichichero Family Foundation Vaccines for Children Initiative Research Awardにより行われた。
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