鉛中毒で入院した小児における血中鉛検査とフォローアップ検査。
DOI:10.1542/peds.2024-067808E
アブストラクト
背景と目的:米国の小児は鉛中毒を経験しており、これは健康に有害な影響を及ぼし、個人的にも社会的にも多大な費用を要する。本研究の目的は、鉛中毒で入院した小児の社会人口統計学的特徴および入院の特徴を記述し、入院前に血中鉛検査および適切なフォローアップ検査を受けた入院患者の割合を評価することである。
方法:2015~2021年の退院データを、ペンシルベニア州の0~5歳児の鉛サーベイランスデータとリンクさせた。鉛中毒の主診断コードを有する小児の人口統計学、入院特性、および鉛検査データを使用した。入院件数,関連する入院期間および入院費用,入院前に血中鉛濃度が高いことが確認された後に鉛検査およびフォローアップ検査を受けた入院患者の割合を,選択した特性別に分析した。
結果:調査期間中に鉛中毒で入院した小児は93人で、入院日数は443日、入院費用は約600万ドルであった。これらの入院患者のうち、69.9%が男性、36.6%が非ヒスパニック系黒人、67.7%が0~2歳、14%が反復入院、88.2%がメディケイドによる支払いであった。また、20.4%が鉛検査を受けておらず、34.4%が入院前に適切なフォローアップ検査を受けていた。非ヒスパニック系白人と発達障害、行動障害、情緒障害のある子どもは、適切なフォローアップ検査を受けている割合が比較的低かった。
結論:重度の小児鉛中毒は、特に医療費助成を受けている小児において、健康面および経済面で大きな負担となっている。血中鉛検査とフォローアップ検査のさらなる改善は、小児鉛中毒の予防に役立つ。