学齢期の児童および青年における血中鉛濃度<10μg/dLの影響:A Scoping Review.
DOI:10.1542/peds.2024-067808F
アブストラクト
背景:学童期の鉛暴露は公衆衛生上の大きな問題である。生後数年間の鉛暴露の有害な影響はよく知られているが、幼児期以降の低レベルの鉛暴露の影響についてはあまり理解されていない。
目的:学童期および青年期における血中鉛濃度(BLL)<10μg/dLの影響について検討する。
データ情報源:2000年1月1日から2023年5月11日までの間に、Medline、Embase、Global health、CINAHL、Scopus、Environmental Science Collectionの各データベースを検索した。
研究選択:5~18歳の個人におけるBLL<10μg/dLの影響に関するデータを提示した査読付き英語論文を対象とした。
データ抽出:国、集団、解析デザイン、サンプルサイズ、年齢、BLL、アウトカム、共変量、結果に関するデータを抽出した。
結果:スクリーニングを行った3180報中115報が組み入れ基準を満たした。報告されたBLLの平均値または中央値は98報(85%)で5μg/dL未満であった。組み入れられた論文のうち89報(77%)は、学童期のBLL<10μg/dLと有害な転帰との関連を示す何らかの証拠を幅広いカテゴリーで提示していた。関連性を示す最も強い証拠は、知能指数と注意欠陥・多動性障害の診断または行動という結果であった。
限界:5歳未満でのBLLをコントロールした論文はほとんどなく、それ以降のBLLと転帰の関係についての結論は限定的である。
結論:学童期および青年期のBLL<10μg/dLは、否定的な転帰と関連する可能性がある。この総説は、さらなる調査が有益と思われる分野を強調している。