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全ゲノム配列決定により、もやもや症候群の遺伝的原因と修飾因子が明らかになった。

DOI:10.1038/s41598-024-72043-5

アブストラクト

さまざまな遺伝性疾患に続発するもやもや血管症はもやもや症候群(MMS)に分類される。最近の研究では、MMSは遺伝的修飾因子と原発性遺伝疾患の原因変異の組み合わせにより発症することが示されている。われわれは、MMSを発症したさまざまな遺伝性疾患を有する患者13人を対象に全ゲノムシークエンシング(WES)を行った。WESの結果、神経線維腫症1型(NF-1)、ダウン症候群、多系統平滑筋機能不全症候群、ヌーナン症候群、αサラセミアと診断された。NF-1とダウン症の症例では、以前に報告された修飾遺伝子であるRNF213とMRVI1が確認された。さらに解析を進めると、アラジール症候群やラソパチーなど、MMSの基礎となる疾患の原因遺伝子にまれな低型変異が存在し、MMSに罹患しやすいことが明らかになった。ABCC8やBMPR2といった肺動脈性肺高血圧症(PAH)の発症に関与する遺伝子も、潜在的な修飾因子として同定された。MMSおよび肺動脈性肺高血圧症遺伝子の希少変異は、1000人ゲノムプロジェクトの日本人104人と比較して、MMSの日本人患者8人において有意に濃縮されていた。RasopathiesおよびPAHに代表される閉塞性動脈硬化症に関連する疾患遺伝子は、MMSおよび原因不明のもやもや病の新規診断マーカーおよび将来の治療標的を提供する可能性がある。

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