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潰瘍性大腸炎小児における潜在性左室機能障害と検査室での活動性予測因子:単一施設での研究。

DOI:10.1111/jpc.16681

アブストラクト

目的:潰瘍性大腸炎(UC)の小児における潜在性心機能障害を検出し、絶対単球数(AMC)およびリンパ球対単球比(LMR)と疾患活動性との関連を検証することを目的とした。

方法:潰瘍性大腸炎(UC)患児群と健常対照群を対象とした。すべての小児は病歴聴取、臨床検査、血液検査を受け、白血球鑑別付全血球数、LMR、赤血球沈降速度(ESR)を測定した。疾患の重症度はPaediatric UC Activity Indexスコアを用いて評価した。心エコー検査では、組織ドップラー、Mモード、2次元および3次元スペックルトラッキング心エコー(STE)を用いて左室機能を評価した。

結果:40名の小児が対象となり、20名がUC症例、20名が健常対照であった。疾患活動性は75%が軽度、25%が中等度であった。症例は対照群より有意にESRが高かった(P < 0.001)。症例では、単球数、血小板数と左室拡張末期径との間に正の相関が観察された(r = 0.5, P = 0.02; r = 0.5, P = 0.03)。UCの小児は3D STEで評価したところ、対照群と比較して有意に駆出率が低く、左室収縮機能が低下していた(P < 0.001)が、従来の方法ではこのような観察結果は得られなかった(P = 0.3)。

結論:UCの小児において、3D STEは従来の心エコー法では検出できなかった潜在性左室収縮機能障害を検出することができた。AMCとLMRはUCの小児と対照群で有意差を示さなかった。

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