幼少期の暴露と炎症性腸疾患のリスク:カナダ、ケベック州におけるネステッドケースコントロール研究。
DOI:10.1016/j.dld.2024.09.011
アブストラクト
背景:炎症性腸疾患の早期生活因子は腸内細菌叢に影響を与えると考えられる。
目的:早期暴露と炎症性腸疾患との関連を調べた。
方法:この症例対照研究はCO-MMUNITYコホート内にネストされた。検証されたアルゴリズムを用いてクローン病(CD)と潰瘍性大腸炎(UC)の症例を同定した。全症例と無作為に抽出した対照者に、早期生活暴露を含む質問票に回答してもらった。解析はロジスティック回帰と因果関係媒介(受動喫煙/能動喫煙の直接効果/間接効果)により行った。
結果:3~6ヵ月の早期の固形食導入は、それ以降(6ヵ月以上)の導入に比べてCDリスクを増加させる傾向があった:OR = 1.23;95 % CI: 0.96-1.56であったが、UCではそうではなかった。完全母乳育児はCDのリスクを減少させる傾向があったが(OR = 0.77; 95 % CI: 0.55-1.08)、UCのリスクは減少した。抗生物質はCD(OR = 0.89; 95 % CI: 0.74-1.07)とUC(OR = 0.88; 95 % CI: 0.71-1.09)を減少させる傾向があった。ペットとCDまたはUCとの関連は認められなかった。受動喫煙はCDリスクを増加させ(OR = 1.23; 95 % CI: 1.00-1.51)、そのうちの20%は能動喫煙によって媒介されたが、UCは媒介されなかった。
結論:CDとUCの早期危険因子には違いがみられた。受動喫煙の影響は能動喫煙とはほとんど独立しており、予防における受動喫煙の重要性が強調された。